ライブ写真館 2009年5月

あっというまに5月も最終日。この日のライブは、5人いてギターがいないという珍しい編成のジャズ&ポップスユニット「ノミの心ぞう」さんです。相変わらず一見適当にやってるように見えて(失礼!)、バランスもバッチリスイング感バリバリでむちゃくちゃ上手いです。前回までは前半ステージはインストバージョン、後半で祥子さんのボーカルが加わるというプログラムでしたが、今回のライブでは最初からボーカルを入れての演奏でした。祥子さんやっぱり上手すぎ。歌はもちろん顔の表情を使っての表現力はもう見てる人たちを釘付けにしちゃいます。こんなにすごいジャズシンガーはなかなかいないです!しかも口トランペットは本物と聞き間違えちゃうほどの完成度。そしてメンバーの皆さん全員アカペラコーラス隊員でもあるので、楽器を弾きながらの全員バックコーラスがまたまた素晴らしい!活動歴も長くて演奏も抜群に上手いのにどうしてまだCD出てないんでしょうか〜!?

実力、人気ともに急上昇中の美少女ボサノバシンガー高見美保さんです。他のジャンルの歌はあえて一切歌わない、全てボサノバのスタンダードばかりという王道中の王道。なかなかこういう人はいそうでいませんよー。ライブを始めてまだそんなに経っていないのですが、マイクの使い方やギターの弾き方など毎回どんどん良くなっています。技術の向上のためにクラシックギターも習い始めたとのことです。最近は銀座のど真ん中のショーウインドウみたいなところでも演奏されてるそうです。きっとそんな場所でやらせてもらえる人って美人限定ですよ。今日のギターは八王子のシモギターズさんのオーダーメイド。数ヶ月前にアルゼンチンのヤコピも買われたそうですが、弦の間隔が広すぎて弾きにくいので現在大改造工事中だそうです。今回のトークはその話題で盛り上がりました。まさかネック幅も削って狭くする?いやさすがにそれはないでしょう!?次回のライブでヤコピ見られるかな。

サンバとオリジナル曲を歌う歌姫山本真莉さんと世界的なサンバミュージシャン加々美淳さんのスーパーデュオです。お二人ともその場でどんな曲でも何も見ないで何百曲も演奏出来るすごい人です。やはりプロは違う!真莉さんはサンバの歌の日本語訳バージョンのレパートリーも増えてきました。原語ももちろんいいですが、日本語だと意味が分かるので曲に入り込みやすくていいですね。加々美さんはさすがのパワーとグルーヴ感です。最近は中国や東南アジアでもサンバ・ボサノバがブームらしく、伝道の旅に出かけられる機会も増えているそうです。途中サンバのリズムの刻み方講座をやっていただきましたが、本当に微妙な違いでサンバ独特のつんのめるようなリズムになることが実感できました。さすが本物のブラジル人は違います。(実は日本人) 真似しようと思っても出来ないし、打ち込みでは再現は不可能だと思います。その一環で加々美さんの貴重なパンデイロ叩き語りもありました。私もパンデイロ練習しないと練習しないと練習しないと・・・!

地元国立が誇る超絶ジャズギタリスト関口祐二さんです。モリダイラ・フィンガーピッキングコンテストでも優勝しています!もしかしてナイロン弦での唯一の優勝者?クラシックギター指弾きでの生音にこだわったライブで、今回の使用ギターはアントニオマリン。結構弦高も高いのですが、いわゆるクラシックの曲の弾き方とは全然違って関口さんはコード展開を中心とした超スピード超パワー演奏です。それで前後半合わせて2時間、スピードもパワーも全く衰えることなく弾き切ってしまうのですからすごすぎます。常人では1曲持ちません。さすがプロの演奏家は違うと思わせます。ジャズスタンダードとオリジナル曲が中心です。いつもコレクター木村さんが珍しい高級鉄弦ギターを持って来て下さるのですが、今回はアーチトップの乾いた音がするギターを関口さんがフラットピックで演奏されました。これもまた雰囲気が違っていいですねー。この日は大雨の中遠く千葉からのお客様が4人も来てくださいました。ありがとうございます!やっぱり本物の生体験は自分の演奏も上手くしてくれます。お勧めします。

日本を代表するギター作曲家兼演奏家の佐藤正美さんです。この日は遠くは広島、名古屋からのファンの人が見に来てくださいました!ありがとうございます。やはり佐藤さんの人気は全国的です。超名器アグアドから奏でられる音色はいつも絶品です。これほど多彩で多数のオリジナルのソロギター曲を作って世に発表されている人は他にいないのではないでしょうか。しかもそれは毎日どこかでテレビ、ラジオで流れているなんてすごいことです!素晴らしいオリジナル曲の他、ボサノバの名曲やバーデンパウエル、そしてクラシックのアレンジものなどたっぷりの演奏でした。今回は久々に片山叔美さんがゲストでボサノバを歌ってくれました。来月のライブにも出てくれます。またクラスタでもライブをしていただいている関口さんや高橋さんは佐藤先生の優秀なお弟子さんで、師匠の作品を見事に受け継いでいます。クラシックギタリストの人たちにもっと佐藤さんのオリジナル曲を弾いてもらえたら嬉しく思います。

1年1ヶ月ぶりに広島の山川さん&ジェシーさんデュオの登場です。山川さんは第15回ヤマハポプコンで優秀賞を受賞。第9回世界歌謡祭では武道館で演奏された経験もあります。現在は広島で主にボサノバシンガーとして活躍。また広島初の定期的なアコースティックギター・インストゥルメンタルのイベントを立ち上げ、広島ギターインスト界の拠点を確立された人でもあります。昨年10月には「クラスタ・広島ツアー」もプロデュースしていただきました。常に前向きポジティブな姿勢が素晴らしく、周りを明るく盛り上げてくれる人です。ブラジルでの生活経験もありポルトガル語もペラペラ。本場で身に付けたブラジルのリズム感を持ち、ジョーパス風にパワーを加えた演奏です。スタンダードナンバーの他オリジナル曲も多数あり、モリダイラ・フィンガーピッキングコンテストの常連に名を連ねています。山川さんソロの他、ジェシーさんのピアノと合わせた演奏もさすが気の合ったもので、トークの掛け合いも面白くて広島では引っ張りだこのデュオです。翌日ライブの佐藤正美さんのファンとのことで、ライブ後また何か楽しいことがあるかも?!

トレモロ名人関口隆正さんです。現在佐藤正美氏に師事されています。クラシックギターのコンクールに積極的に挑戦中で、他の出場者がいわゆるクラシック曲ばかりでエントリーされている中、佐藤師匠のオリジナル作品を演奏するというある意味革新的なことを実行されています。佐藤師匠も大いにその実力を認める腕前です。レパートリーはバッハ、ビラロボス、タルレガ、バリオスなどの古典が多く、特にトレモロ曲に関しては師匠の作品も含めよく知られている曲は全て網羅されています。粒の揃った美しいトレモロは見事の一言です。プロでもトレモロを苦手とする人が多い中、これほどまでに美しいトレモロを奏でる人は世界中探してもあまりいないのではないでしょうか。このような人が身近にいらっしゃることを光栄に思います。

20歳美少女シンガーソングライターの愛(めぐみ)ちゃんです。去年の夏には1ヶ月間たった一人で北海道から沖縄までの日本縦断ライブツアーを敢行!クラスタではその出発直前に釜谷デーで応援投げ銭ライブを行ないました。それ以来の超久しぶりの登場です。前半ステージはカバー曲、後半はオリジナル曲。しかし本当にギター上手いです。歌も上手いです。そして良い曲多いです。スタンダードをきっちり出来るって言うのは大事です。この路線も好感が持てます。全く譜面を見ないで歌えるというのはムチャクチャ練習してる証拠です。曲の完成度の高さ、そしてこの歳でどうしてこんな歌詞が書けるの?という驚きを隠しきれません。そしてそれをしっかりと伝えるための歌とギターのテクニックが卓越しています。裏声をも完璧にコントロール出来ているし、ギターの切れの良さリズム感の良さ、完璧です。最近では、ファンの人がユーチューブにアップした動画のアクセス数が驚異的な伸びを見せ、今回のライブではユーチューブを見て初めて来て下さったというお客様が3人も!!同世代から親以上の世代の人までの多くのファンの熱烈な応援があります。これだけ上手いと周りがほっとかないよ!って感じで、私とは親子ほども歳が離れていますが、私の尊敬するシンガーソングライターの1人です。

若手実力派クラシックギタリストのお2人です。濱口さんは新井伴典さんに、吉田さんは高田元太郎さんにそれぞれ師事されていて、お2人ともコンクール入賞歴をお持ちのかなりの実力派です。いやー驚異的に指動いてました!全部暗譜で、ほぼ完璧と言っていいくらいノーミス。すごい。聞きほれたのはもちろん見とれました。すごいテクニックです。若いって素晴らしい!「テクニックがすごい」とか書くと、テクニックでかなわないお年寄りの中には画一条件反射的に「テクだけ」とか言う人たちがいますが、それは単なる負け惜しみです。テクニックがすごいことは無条件で賞賛されることなのです。表現力を高めるために練習に練習を積み重ねて身に付くものがテクニックなのです。キレのあるスーパーテクはぜひ「見る」べきです。ライブ後も遅い時間までギターの音が途切れることがありませんでした。お2人は来週から3週間ほどドイツに行って、ギターフェスティバルの見学、マスタークラス受講、コンクール出場などの予定をこなして来られるそうです。ぜひドイツのコンクール優勝凱旋記念ライブをお待ちしております。空港で新型インフルエンザの検疫に引っかかりませんように。

都内を中心にコンスタントにライブ活動を続けているシンプルイズベストなショーロユニット「コロボックリ」のお二人です。いやあ大声援でしたね!ショーロとはボサノバやサンバのルーツと言われている、ブラジルの伝統音楽です。コロボックリさんは、鍵盤ハーモニカと7弦ギターというシンプルな構成でショーロのスタンダードナンバーをとても情感的に演奏されます。もはや余裕すら感じさせるプロの堂々とした演奏です。お2人はむやみに他ジャンルに手を広げることなく、ショーロのスタンダードのレパートリーを極めようという姿勢がなんといっても素晴らしいです。これはなかなか出来そうで出来ないことです。ショーロのライブが聴きたい、と言うショーロ初心者の人には私は真っ先にコロボックリさんのライブをお勧めいたします!これほどシンプルな構成でしっかりとした演奏をするユニットは貴重です!

今回で2回目となるジャズボーカルトリオ、ボーカルの濱さん、ギターの後藤さん、ベースの岩崎さんです。濱さんいつもセクシーですね。ズドンと響く岩崎さんのウッドベース。驚異のスーパーアポヤンダー後藤さんのギター。ギターとご持参のマイクの性能がいいせいか、機械でリバーブをかけなくてもとってもいいナチュラルリバーブがかかっていていい感じです。このユニットはトリオの他、いろいろな組み合わせで演奏されます。ギター&ベースのインスト隊。ギター&ボーカル。ここまではまあ普通ですが、ベース&ボーカルというのは珍しくて面白かったです。しかしあまり違和感を感じなかったのは、やはりお2人それぞれが上手いということでしょう。軽快さもあり重厚さもある聞き応えのあるジャズユニットだと思います。

初クラスタ初出演の重山さんと柿崎さんのラテンデュオライブです。いやーとっても気持ちの良い演奏でした。多彩なパーカッションを使って心地よいビートに乗ってのピアノ。はしゃぎすぎず、洗練された大人のジャズの雰囲気がありました。お2人は同じサンバチームのメンバー同士だそうで、普段はもっと大人数のユニットでのライブ活動もされているそうですが、最近デュオライブも始められたとの事で今回はデュオ2回目だそうです。クラスタのピアノも調律したばかりで気持ちいい響きでした。オリジナル曲もたくさんありそのどれもが気持ちいいです。大人数ユニットでの演奏も聴いてみたくなりました!

珍しい古楽器「リュート」のソロライブです。岡沢さんは去年の秋頃から日曜日のフリーコンサートによく来て下さっている人で15分という限られた時間でいつも素晴らしい演奏をしていただいています。今回は90分間ソロでたっぷりと堪能させてもらいました。リュートは一度絶滅して、20世紀に復活した楽器だそうです。ギターに押されて人気がなかったのでしょうか?ギターのようなやわらかい音ではなく、乾いた繊細な音色が特長です。形状的にかなり持ちにくいのですが、岡沢さんは固定器具を自作されその問題を解決されています。8コースで1弦だけ1本で合計15弦もあります。チューニングが大変そうです。糸巻きがほぼ直角に曲がっているのも他の弦楽器と比べてインパクトのある部分です。調弦は低い方から「ソラレファラドミソ」という岡沢さん考案のもの。調弦がオリジナルと言うことは全部ご自身で編曲されたということです。30曲近くの見事な熱演でした。前半はビバルディの小品集。ビバルディって「四季」以外にも曲あったんですねー。いやあったんでしょうけど、一般にはあまり知られていませんよね。後半はギターでもよく弾かれるバッハの無伴奏バイオリン。なんとも雅な感じがする演奏でした。なぜか「リュート組曲」はありませんでしたが聴いてみたいなあ。

若手実力派エンターテイナーギタリストの大石善也さんです。「おおいしさん」と打って変換すると一発目で「多い資産」と出ます。お試し下さい。良い誤変換です。多い資産、じゃなくて大石さんは堀尾和孝さんのギター道場を優秀な成績で卒業され、バンドやソロで積極的なライブ活動を続けられています。ライブでは堀尾師匠直伝の往年のロックナンバーの他、オリジナル作品などを演奏。低音ブンチャブンチャのギャロッピング奏法を得意とされボサノバの名曲もギャロッピングアレンジで演奏しちゃったりします。日々の努力の成果で前回に比べても明らかにテクニックやパワーがアップしているのが感じられました。またちょっと長めのトークが面白いんですよねー。ライブならではの楽しさがあります。最初は少なめだったお客様もあとからどんどん増えてきてほぼ満席状態に。男性客率と喫煙者率が以上に高くて、古き良き(??)時代のライブハウスっていう感じでした。だから女の子が見に来てくれたらきっとモテモテですよ!

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