ライブ写真館 2007年5月

クラシックギター界の若き伝道師、富川勝智さんです。この日は激しい雷雨で電車ダイヤにも乱れが出たにもかかわらず多くのお客様にお越しいただきました。ありがとうございます。本番前には「ドッカーン!」とすごい音で雷が近くに落ちてびっくりしました。なんとかパソコンは無事でした。この日も富川流奥義本番直前弦全交換の技を見せていただきました。奥義の説明もしていただきましたが、なるほどと納得の行く理論的なものでした。私はいつも外した弦をいただいております。今回のはまだ1週間しか使っていないそうです。もう全然新品じゃないですかー。普通クラシックのライブでは事前に曲目が発表されていることが多いのですが、富川さんはご本人も当日まで決めてなくて、時にはリクエストを受けたりして数多いレパートリーの中からその場で曲を決めて演奏されます。得意とするのはセゴビアのレコードに入っているようないわゆる古典中の古典です。富川さんが心底惚れ込んでいる「アルカンヘル」。その惚れ込みようは半端じゃありません。アルカンヘルが世界一のギターという信念と自信を持って弾かれています。ここまで自分のギターを愛しているギタリストはなかなかいないと思います。でもそんなギターをライブ後はお客さんに自由に弾かせてくれるんです。「本当にいいギターを知ってもらいたい」ということらしいですが、なかなか出来ることではありません。ほぼ満席だったにもかかわらずライブが終わってもどなたもお帰りにならず、順番に弾かせてもらっていました。本当にいい楽器というのは上手い人が正しく弾いて本来の性能を発揮するもので、そうじゃない人が弾いたらかえって鳴らないと言います。同じように見える楽器でも理屈で説明しにくい奥深いものがあります。私みたいに「ラベル貼り替えたら音が変わる」とか言ってる人間は死刑です。

クラシックの他、ポピュラー曲のアレンジ、オリジナル作品などの作編曲家としても活動されている冨山詩曜さんです。心霊・超常現象の研究家としても知られ、その人柄の良さもあり若手ギタリストからとても慕われている人です。今回は「スピリチュアルライブ」と称して、超常・心霊の精神世界の話をされながらのライブでした。空を飛ぶ人の話や、死後の世界はどのようなものか等、知っていてもすぐには役に立たないけれども、それを信じて生きていると人生観が変わるような奥深い内容のお話でした。富山さんのお話によると、天国とか地獄のようなものではないそうです。今回ゲストとして小山さんが手作りのオカリナで冨山さんのオリジナル曲を演奏してくださいました。オカリナって個人的にも好きな楽器です。何種類か持って来られていましたが、一番大きなオカリナの音色には本当に吸い込まれちゃいました。完全生音なのに音があちこちの方向から聴こえてくるんです。右方向から反射して聴こえてきたり、ダイレクトにまっすぐ飛んできたり。オカリナの穴の方向がその原因かも知れませんが、あんな聞こえ方する楽器だとは初めて知りました。ライブ後に小山さんにその話をしたら、そんなことを言われたのは初めてだとか。でも本当なんです。立体感のある響きが素敵でした。ぜひまたオカリナのライブをやってほしいです。

平均年齢20歳の超フレッシュデュオ「ブルートークアンドラブ」さん。「愚痴とのろけ話」という意味だそうです。たなべくんの鉄弦ソロギター&たなべくんのナイロン弦伴奏+ちひろちゃんのボーカル。ちひろちゃんのこのスタイルの良さはスーパーモデル並ですよ〜。いやー何回聴いても上手い演奏です。たなべくんの抜群のリズム感とミスタッチ皆無の的確な左手の動きは業界トップクラスではないでしょうか。歌の伴奏者としても最高。ただし素人がこの伴奏で歌えるかといったら無理でしょう。これは十分に練習を積んだ2人だからこそ出来る、歌とギターのアンサンブルなのです。今回はかねてからの私からのリクエストだった松浦亜弥の「ね〜え」を初披露してくれました。ありがとうございます!いい意味で期待してたのと全然違う斬新なアレンジのあややナンバーでした。いやーそう来たか!すごい実力派のお2人です。たなべくんは今年の秋にはニューヨークに長期修行滞在に飛ぶそうですので、アメリカで大ブレイク日本に逆輸入のその前に、今のうちに皆さん見に来て下さい!

新たな本格クラシックデュオの出現です。バイオリンの白井さんとピアノの平林さん。お2人は高校の同級生だそうです。白井さんは3歳で病気のために失明され4歳からバイオリンを始め、桐朋音大を昨年卒業。平林さんは国立音大を今年卒業されたばかり。若さあふれるお2人です。白井さんはバイオリンの他に陸上競技も本格的にされていてパラリンピック三段跳びで7位入賞された実績をお持ちです。日本国内ではもちろん1位。クラシックを基本に、今回は珍しい曲はあえて選ばず、ディズニーや葉加瀬太郎、尾崎豊、千の風になって、など誰でも必ずどこかで聞いたことのある曲ばかりを用意して来てくれました。パッフェルベルのカノンも演奏してくれましたが、「カノン」って輪唱のことだったんですねー。白井さんの解説で初めて知りましたー(無知)。そう思って聴くとうむ確かにそうだ。あらためて面白い!白井さんのバイオリンはとてものびやかで気持ちよくて、平林さんのピアノは暖急豊かでとても良い伴奏でした。ライブハウスでクラシックの演奏を聴くという文化はまだ日本では育っていません。でもこれはクラスタ開業以来の大きな目標の一つでもあります。「CLASsic live STAtion」なのですから。皆様のお力をどうかお貸し下さい。クラスタは応援していきます!

約半年ぶりのデュオブラジル・ブラジルスィングライブ!ブラジル人のグスターボさんの超絶サックスが炸裂!やはりネイティブはグルーヴが違う。日本語もだんだん上手になってきました。真希子さんのピアノは時にバーデンパウエル風の刻みビートでこれまたノリノリ。そして今回はゲストで中村さんのパンデイロ。これも相当なハイクオリティでした。ブラジルといえばリオのサンバやボサノバが有名ですが、グスターボさんは同じブラジルでも南米大陸の最東端で赤道近くのレシフェという町のご出身。サンバ・ボサノバとは違ったレシフェのリズムの曲がまたこれが気持ちいいのです!この日は前日のショートライブデーに出場された、いてこ&いておデュオのお2人も飛び入りで演奏に参加。客席からのガンザ参加もあり盛り上がり、とっても楽しいライブになりました!ありがとうございました。

クラスタでもたまにこの系統のライブをやったりします。堀尾酔弦一門のシンガーソングライターで若者を中心にものすごい人気の「よねっぴ」ことよねくらみすずさんと、今年5月に大阪で開催された「第11回ボーカルクイーンコンテスト」のティーンズ部門で準グランプリを獲得した実力派美少女シンガー加藤愛さんです。よねくらさんはなかなか面白い歌詞の歌を熱唱。もともと活動していたユニットが解散してしまって、自分の歌を歌うためにギターを始めたそうです。加藤さんはなんとまだ18歳です。私と親子のような年齢差です。ライブ終了後にメイド服を着てもらいましたが超かわいいです。さすが18歳は違うと思いました。元気一杯の歌からスロウなバラードまで瑞々しく爽やかな声で歌ってくれました。次回は7月にそれぞれソロライブでの登場です!

Megさん萌え〜。メイド服同好会のMegさん、春の新コスプレで登場!赤いメイド服とは意表を付かれました。セーラームーンを意識して秋葉原で買って来られたそうです。いやーこれはかなりヤバイです。Megさん最高です!などとMegさんの衣装の話を先にしてしまいましたが、演奏のレベルはさすがです。インスト隊の大人な演奏にMegさんのパワフルな歌声。毎回女性限定でゲストミュージシャンが参加するレレデボッサさんですが、今回初参加はトランペットの山本ヤマさん。トランペットだからさぞかし大きな音だろうと思っていたら、山本さんほどの上級者になると会場に合わせてミュート無しでも小さな音も自由自在に出せるんです。左手でフタのようなものを持ってフワフワした音を出したりして面白い演奏も見せてくれました。高中低それぞれの弦楽器で構成されたユニットだけに音の広がりがとてもいい感じです。聴かせて、見せて、魅せる、総合エンターテイナーです!

国立在住の超絶ジャズギタリスト、関口祐二さんです。関口さんはモリダイラ・フィンガーピッキングコンテストの優勝者でもあり、非常に数多くのギター教則本を出されている、演奏技術・音楽理論ともに超一流のミュージシャンです。このところ関口さんのライブの日はなぜか決まって雨が降るという運の悪い日が続いていて、この日もお昼まで空真っ黒のものすごい雷雨だったのですが午後からカラカラの晴天に!お客様もいつもより大勢来て下さいました。しかもおそらく全員が関口さんのライブ初めての人ばかり。ありがとうございます。スタンダードジャズ中心に超絶系のオリジナルなどを、いつもそうなんですが前半後半それぞれ1時間づつ計2時間のたっぷりライブ。ライブ後のセッションタイムではお客様の三宅さんとのギターデュオ。関口さんはソロとデュオでは弾き方が全然違うので2倍楽しめました。次回もセッションタイムがありますのでギターはもちろん他の楽器でも歌でも、ジャズをされている人はどんどんご参加下さい。

いわゆる「フィンガーピッキング」のジャンルでプロとして全国的に活動されている、伊藤賢一さんとたなべかっぱさんのジョイントライブです。先発は伊藤さん。3rdアルバム「海流」を発表し大好評を博しています。伊藤さんはクラシックギターを専門に学ばれた人で練習の鬼としても知られそのテクニックの高さには定評があります。曲によって鉄弦とナイロン弦を使い分け、定番の「タンゴアンスカイ」や「思い出の自転車」などの優れたオリジナル作品を多数演奏してくれました。この日は今年のモリダイラフィンガーピッキングコンテストに出場された松江慎司さんが大阪からお客様として来てくださっていて、ゲストとして2曲演奏してくれました。今日の演奏者3人とも同コンテスト出場経験者ですね!後半はたなべ君。最近は帰国子女ボーカリストのちぴきぅりちゃん(19)とのユニット「ブルートーク&ラブ」でも大活躍。先月京都から沖縄までのツアーを終えたばかり。アニメソングのアレンジものや完成度の高いオリジナルをすごいテクニックで演奏してくれました。いやーほんと今日の3人見てると上手さのレベルの違いを感じますねー。伊藤さんとたなべさんは両者とも野球のキャッチャーをしていたという意外な共通点があります。さすがにもうやらないですよねー。爪を大切にしなければ。

ベテランジャズギタリスト、須子典明さんと小泉清人さんの珠玉のジャズギターデュオ、誰が呼んだか「スコイズミ」。一説には常連の坂田さんという説が有力でしたがご本人がこの日その説を否定。だって私ですもん。いつも何を弾くかを決めてないスコイズミですが、今回は割と有名なスタンダードジャズナンバー中心でした。どういうアレンジでくるかもその場その時だけの一期一会。「リード&伴奏」、「早弾き合戦」という一般的なジャズギターデュオとは違い、お互いの信頼関係で変弦自在に音楽の会話を楽しんでやっているといった演奏で、途中で演奏者からも客席からも笑いが出てくる知的で楽しいギターデュオです。小泉さんの何でも受け止めてしまうような演奏に対して須古さんがいたずらを仕掛けるような感じでしょうか。こうくるか、ああきたか、みたいな応酬で聞いてる側も飽きることなく気が付いたらいつの間にか時間が過ぎていきます。ギタリストのお客様も多く、ライブ後は大ギターセッション大会で大盛り上がりでした!

東京のショーロ愛好家の核的存在である桜さんをメインとしたトリオユニット「コロボックリ」さんです。3月はデュオでしたが今回はパンデイロのドワネルさんを加え「真コロボックリ」での出演です。スタンダードといわれるショーロの曲をほとんどレパートリーに収め、ライブの回数を重ねて堂々とした演奏になってきました。CDアルバムとしてまとめたらとても価値の高いものが出来ると思います。楽しみにしています!

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