ライブ写真館 2006年12月

国分寺クラスタ2006年最後を飾るライブは、クラシックギターの若き伝道師富川勝智さんです。いつもはちょっと早目に店に着いて弦を全とっかえされる富川さんですが今日は店での交換は無し。いつもはずした弦をもらっているので(ほぼ新品)残念。いきなり1曲目に弾いたのが古賀政男の「悲しい酒」。富川さんは以前は古典中の古典が演奏レパートリーに多かったのですが、最近はポピュラー系もだいぶ増えてきました。この日はお客様の約半数がお弟子さんで、ライブ終了後は超名器アルカンヘル(高級車が買える値段)を弾き回し大会。「若い人にこそいい楽器を弾いてもらいたい」との考えらしいですが、なかなか出来ることではありません。ご自身も積極的なライブ活動を行ない、お弟子さんにもどんどん人前で演奏することを推奨されている、数少ない実践派クラシックギタリストの1人です。今年のクラスタ・ライブも今日で終了。皆様大変お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

心霊・超常現象に造詣の深いギタリスト冨山詩曜さんです。冨山さんは昔指を壊してしばらくギターから離れていましたが、スプーン曲げが出来たことで「スプーンを曲げられるくらいなら指も直せるはず」と思ったのがギターを再開したひとつのきっかけとなったそうです。クラスタ・フリーコンサートにはよく参加していただいていましたが、通常のライブは今回が初めてです。前半クラシック、後半ビートルズメドレー&オリジナルとメリハリのある構成で、しかも一つ一つの演奏もメリハリがきいていて聞きごたえがありました。 メリハリの理由の一つは「息つぎ奏法」とでも呼べる演奏法でしょうか。要所要所で息を吸い、そして吐く。実はこれ私が師事していた先生からも同じことを習ったのですが今になってそれを目の当たりに見た気がしました。冨山さんは今年は数多くのギターコンクールに挑戦してこられましたが、今日のクラスタライブを皮切りに来年は積極的なライブ活動を開始されるそうです。クラスタでもぜひ定期的なライブをお願いしたいと思っています。

2002年から5年連続。今年のイブものりこさんのボサノバライブ!クリスマスイブの日の年中行事(?)になりました。イブの日とはいっても毎年それほどカップル率は高くありません。この日は3組でした。男女ともお一人で来ると彼女or彼氏が出来るというジンクスがある幸せライブなのです。今年は新しいカップルが何組誕生するのかな。のりこさんの歌とギターには本当にうっとりとさせられます。店内が幸せの空気に包まれます。ボサノバはポルトガル語なので歌だけ聴いても意味が分かりません。のりこさんが1曲1曲歌詞のあらすじを解説してくださるのですが、なぜだかほとんどが失恋の歌ばかり!いや、もともとボサノバはそういう歌が多いのです。わざとじゃありませんよ!のりこさんはこのところ地方ツアーもよくされていて、この日はツアー先の面白いお話もたっぷり聴かせてくれました。いつかはブラジルツアーですね!?来年のイブの日もこの幸せボサノバライブはぜひお願いしたいです!

ここ数年の国内のギターコンクールの賞を総なめにしている感のある新進気鋭の超実力派ギタリストの松田さんと熊谷さん。クラスタ初出演!クラシックギター雑誌には毎号のように登場している有名ギタリストでもあります。立ち見超満員感謝感激です。さすがの人気です。この日はイケメンギタリストの楠幸樹君に臨時アルバイトに入ってもらいました。一人じゃ無理だった〜。お2人とも単音が非常にしっかりしていてデュオでもソロでもメロディラインが立っているとてもいい演奏でした。また何よりも正確さを求められるコンクールで優勝を重ねているだけあって、テクニック的にも素晴らしいです。この日はクラスタ常連さんでもある作曲家兼ギタリストの冨山詩曜さんの作品を、作曲者ご本人の前で演奏して下さいました。松田弦君は噂の見事なまでのドレッドヘアー。てっきり別なジャンルのバンド活動もされているのかと思って聞いてみたら、クラシック一本だそうです。すごいギャップです。 ちなみにこのへアースタイル完成までに延べ20時間かかったそうですヒー!来年もよろしくお願いします!

今年3,6,9,12月と4回シリーズで、毎回テーマを決めてライブをして下さったギターの土田さんとフルートの齋藤さん(書くのが大変な字です!)。現代、ラテン、ロマン、に続き最終回の今回のテーマは「一年の総決算、きっちり古典」 ということで、ベートーベン、モーツアルト、ジュリアーニ、ソルなどの名曲満載のライブとなりました。毎回楽章を含めて20〜30曲で、この1年シリーズで100曲以上演奏したことになります。1年計画でテーマを決めてこれほどの曲に挑む彼ら二人の若手演奏家には敬意を表します。ギターとフルートのデュオの曲ってこんなにたくさんあったのかと認識を改めさせられた4回シリーズでした。満員のお客様で最終回を見事に締めました。ライブ終了後も土田さんはギターを離さず、独奏でリブラソナチネ、タンゴアンスカイ、大聖堂、アストリアス、アルハンブラその他たくさんの曲を演奏してくださいました。ほとんどライブ一回分得した感じ!?レパートリー多すぎ。次回の新企画楽しみにしています!来年もよろしくお願いします。

常にメジャー第一線で活躍するギタリスト、佐藤正美さんのオリジナル作品集3回シリーズ最終回は「春のそよ風」特集です。時価1100万円という国内でも指折りの超名器アグアドは、故渡辺範彦氏が「化け物だ」と驚嘆したというすごいギターです。高音の透き通った音、低音の深みのある音。そして前面に飛び出す音量の大きさ。本当にいい音です。もちろん名器は演奏者を選びます。優れた演奏者によってその力を十二分に発揮された時、至福の音楽が聴く者を心から酔わせます。オリジナル中心に、バーデンパウエルの有名曲もたっぷりと演奏してくださいました。いやー本当に気持ちのよい演奏でした。ライブ後は飲みながらのお客様全員による演奏会。佐藤先生からのワンポイントアドバイスがいただける超お得タイムです。常連の高橋さんは佐藤先生から「自分の後継者」と絶賛されました!実はこのシリーズは来年も続きます。メジャーでギターソロのオリジナル作品を長期間に渡ってこれだけ多く発表しているギタリストは佐藤先生の他にはほとんどいません。作品が優れているからこそ長年にわたり評価されているのです。オリジナル作品を作っているアマチュアの皆さんにもぜひ聴いていただきたいと思います。

フラメンコギターを使ったスタンディングスタイルのギタリスト下舘直樹さん。プロのギタリスト、作曲家として活躍されています。先月田辺博信君との対バンに続き、今回はソロでの登場です。ギターはフラメンコですがフラメンコを演奏するわけではなく、世界中を旅し世界の音楽を吸収しただけあって、それを生かしたギター演奏です。時折ジャズやスタンダードを交えながら、オリジナル中心の演奏でした。割と最近、女性雑誌でイケメンギタリストとして紹介されたほどの男前です。それと関係あるのか無いのか分かりませんが、お客様のおねえさま率がかなり高かったです。中には京都から下舘さんに内緒で駆けつけてくれたお客様もいらっしゃいました。下舘さんは一見した見た目からと違って意外にも(?)ほのぼのとしたお人柄で、静かに静かに進行しつつもとても心温まるライブでした。休憩時間にはお客様全員による自己紹介コーナーが設けられ、新たな人と人とのつながりが生まれました。ライブ後もほのぼのくつろぎ交流会。ライブ本番そのものはもちろん、別な意味でもこれはいいライブだったと思います。

山本真莉さんと加々美淳さんによるサンバ&オリジナルライブ。真莉さんは日本語オリジナルソングを切々と弾き語るシンガーソングライターとしての顔と、ポルトガル語でのサンバを立ち歌で歌うサンバシンガーとしての顔を持っています。オリジナルソングの方は全然サンバっぽくないフォークソング風で両者のつながりはあんまりなさそうなんですが、どちらも素敵です。すごいのは自分の前には譜面台すら置かないで歌うこと。しかもサンバの歌については全てに訳詞と解説までしてくれます。まさにプロのシンガーだなあと思います。今回ゲストの本当のブラジル人ミュージシャンのグスターボさんは今年の7月にクラスタで加々美さんをご紹介して以来、よく一緒に演奏されているそうです。やはり本物のブラジル人が2人いるとノリが違います(実は1人は日本人)。加々美さんから大漁旗で作ったハッピを着せられての演奏。加々美さんのスーパーギターとグスターボさんの超カッコイイサックスが合わさるともう最高!真莉さんのボーカルもますます冴えてます。12月ということでクリスマスソングポルトガル語バージョンもたっぷり。今年はほぼ毎月ご出演いただきありがとうございました。来年もよろしくお願いします!

ちっくさんこと大渕さんが自称「保護者」を務める上質な本格POPSユニット「渡辺薫トリオ」、2回目の登場です。トリオといいながら今回も4人ですが気にしないで下さい。(場合によってはもっと増えることもあるそうです。)いやー私はこんなユニットを待っていました!実戦経験豊富なプロのインスト隊と、不思議な魅力を持ったボーカルの薫さんのユニット。薫さんのボーカルは何と言いますか、おそらくご本人は意識していないと思うのですがほんのわずかに子供っぽさが残ったような要素があって、そこが強力な個性と大きな魅力になっています。(ほめてます)そこがプロのアイドル歌手ぽくって私にとっては最高なのです。(ほめてますよ)その証拠に(??)この日はおじさんカメラマンの数がすごかった!演奏曲は多岐にわたり、武満徹、サザン、サイモンとガーファンクル、ボサノバ、ジャズなど。また薫さんのオリジナルが詞・曲とも非常に秀逸なのですよー!よくありがちな自己満足的な作品とは一線を画しています。彼女はメジャーで活躍する器です。ぜひそうなっていただきたい!応援します。

毎回テーマを決めて十分に練った後にライブに臨まれる倉田典明さんです。倉田さんの本職はオーケストラの編曲も手がけるプロのアレンジャーです。もちろんライブで演奏するピアノ曲のアレンジも自ら行なっています。今回のテーマは、「ほとんど全曲スタンダード:1st Stage でも一部ラグタイム/2nd Stage 半分くらいクリスマスソング」でした。なんと、クラシックやオリジナルは一切弾かないといった思いっきり割り切った構成。久々のラグタイムは良かったですねー。倉田さんのピアノはとにかく正確でキレがあってキッチリしています。ピアノを習うなら倉田先生をぜひご指名下さい。それにしても倉田さんのライブはいつも女性客率が高いなあ。

ジャズ、映画音楽、POPSなど、みんなが知ってるおなじみの曲ばかりをハイレベルな演奏で聞かせてくれる「ノミの心ぞう」さんです。関東ウクレレ界で「飯塚兄弟」と言えば今や誰もが知っている実力派。高音楽器のウクレレと低音楽器のベースの組み合わせは、ギターデュオとはまた違ったダイナミックレンジの広い演奏になります。トランペットの口真似の得意なボーカルの吉田祥子さんはすでにレギュラーメンバーとなりました!前半インスト、後半ボーカルものといった構成で、ノミの心ぞう専属PA担当の三鷹まご工房さんによるハウリギリギリの絶妙ミキシング技術とも相まって素晴らしいサウンドとなりました。ノミの心ぞうさんはライブ後はいつも大量に飲み食いしていって下さるので感謝しております。毎回ボトルは1本づつ。豚肉も一晩で1kg消費。在庫一掃翌日は買出しです。来年もよろしくお願いします!

千代田君と田辺君。若手フィンガーピッカー対バンです。あれ?千代田君今まで何度か店でお会いしてるので対バンなどで既に出演済みだと思っていたけどもしかしてライブ初出場でしたか!?しまった色紙にサインしてもらうの忘れた。千代田君はバリバリの叩き系!という印象があったのですが、実はそんなにびっくりするほど叩きまくり奏法の人ではありませんでした。もちろん叩きますが最初から最後まで叩くだけなんてことはなくて、オーソドックスな奏法でのバラードなども演奏します。積み重ねたエフェクター類を駆使して時にはエレキギターのようにわざと音を歪ませたりしてのジャズ、スタンダード、オリジナル、アレンジ物などを聴かせてくれました。田辺君はもうすっかりおなじみの広島出身の20歳。彼は叩かないギタリストです。彼は技術的にすごいものを持ってますねー。のびのびとそしてしっかりした演奏で、アレンジ力には目を見張るものがあります。相変わらずのほのぼのトークがいつのまにか売りになってます(?)。しかし20歳ですからねー、ご両親の年齢を聞くのが怖いです(聞いたけどヒー)。持ち曲がまだそれほど多いわけではないですがその分1曲1曲の演奏の完成度は文句のつけようがありません。最後にデュオでクリスマスメドレーと「スペイン」を演奏。次回は来年にそれぞれソロライブが入っています。じっくり堪能させてもらいましょう。

本当の本物のブラジル人、グスターボ・アナクレートさんと奥様の真希子さんのデュオ。その名も「デュオブラジル」。クラスタ2回目のライブです。いやー楽しいですね〜。グスターボさんはブラジル最東端の街レシフェ出身でビッグバンドで活躍されていたサックス奏者。音楽の勉強のためにブラジルに行っていた真希子さんに連れられて日本に来ました。真希子さんはピアノ&ヴォーカルの他、プロのダンサーとしても活躍。サンバのダンスなんか超スゴイです。ブラジル音楽と言えばサンバ・ボサノバが有名ですが、あんなに広い国ですから土地土地によっていろんなリズムを持った音楽が他にもたくさんあります。そんな音楽もいっぱい演奏してくれました。いやーそれにしてもグスターボさんのサックスにはしびれますねー。彼は私にとってはコルトレーンの次にすごいサックス奏者です。真希子さんが時々合わせるピアノやコーラスのユニゾンもサックスとぴったり合って、一瞬サックスの特殊奏法ではないかと思わせるほどに解け合っています。この日はお2人の勧めでユーキ先生もパーカッションで参加してくださり、より厚みの増した音楽になりました。ああなんて心地いい!

毎月第1第3土曜日のお昼にクラスタで開かれている「レレデボッサのウクレレ教室」の発表会&師匠ライブです。10組12人の生徒さんが日頃の練習の成果を大発表。やっぱり発表する場があると上達しますよね。クラスタのフリーコンサートにも弾きに来てくださいねー。この日はほぼ内輪のパーティだったのにもかかわらず、一般のお客様もたくさん見に来て下さいました。狭い店内に30人は余裕で超えてました。PA担当三鷹まご工房さん、お手伝いのいてこさんもありがとうございました!

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