ライブ写真館 2006年6月

今年3月に待望のファーストアルバム「記憶と風景」リリースをしたトリンダージの皆さんです。ショーロとはサンバ・ボサノバの源流と言われているブラジルの伝統音楽です。ショーロは様々な楽器で演奏されますが、トリンダージさんは異なる3つの弦楽器のアンサンブルユニットです。一人一人が超絶技巧でとにかく早い早い。サクサク感がたまりません。ダイナミックレンジの広さも爽快です。それにしてもオリジナル作品が素晴らしいです。というかショーロの場合まだ知名度が低いジャンルなので普通の人にはスタンダードと区別付きません(一部私も含む)。この日はマイクスタンドが足りずギタースタンドを利用して急ごしらえしました。下の写真で阿部さんが持っているのがそれです。かなり使えるアイディア商品です。トリンダージ方式として特許出願中。使用料は1回10円だそうです(一部ウソ)。

ドイツ留学帰りのお2人です。クラシックギターとバイオリンのデュオでピアソラのタンゴの歴史やアディオスノニーノなど南米中心に、バッハのG線上のアリアなどを演奏していただきました。お2人とも明るく気さくなお人柄で演奏にもそれが表れていたと思います。ライブ終了後、弦の話題が出たのですが、ギターの弦は6本セットでだいたい1000円から2000円程度ですが、バイオリンの弦は一番太い弦が1本で6,7千円もするんだそうですヒー。そもそも楽器の値段が一桁違いますからねー。弓も高いし!それから前回もそうだったんですが志摩さん、ご自身のHPでライブの告知をしてくださいよ〜。いくらノルマが無いからと言ってもそれは困ります。

「風笛(あすかのテーマ)」(大島ミチル作曲)は私の大好きな曲です。学生時代から細々とクラシックギターを弾いていた私が5年前に「G線上のアリア」が弾きたくてその曲が載っている楽譜を買って付録の模範演奏CDをかけた1曲目が、この「風笛(あすかのテーマ)」でした。江部賢一さん編曲の、その美しい曲を聴いて「ギターソロにこんな世界があったのか」とものすごい衝撃を受けました。この曲が「ギターソロのライブが出来る店を作ろう」と思った原点、いわばクラスタの原点です。私は勝手にクラスタのテーマ曲にしていてこの曲だけはいつでも弾けるように練習を続けています。原曲はオーボエです。ついにクラスタでもオーボエあすかが実現しました!やっぱり本物はいいですね。この日はオーボエでの「風笛」や、クラシック、ビートルズ、歌謡曲、ジプシーなどを、さまざまな管楽器をとっかえひっかえのバラエディ豊かなライブになりました。オーボエの他、クラリネット、ファゴット、テナーサックス、イングリッシュホルン、リコーダー。それぞれ有名な曲のどのパートを吹いているかという実演解説もあり勉強になりました。クラスタのテーマ曲ライブとしてぜひこれからも定期的にお願いしたいです。

倉田さんはクラスタライブ一番最初の出演者です。それから約4年に渡り定期的にご出演いただいております。倉田さんがサラリーマンをやめてプロの音楽家になったのと、私がサラリーマンをやめてクラスタを始めた時期はほぼ同じ。ともに歩んでおります。今はクラスタでもピアノのライブが増えてきていますが、はじめの頃は本当に倉田さんだけでした。倉田さんがクラスタのピアノ部門を支えて下さったのです。大変感謝しております。倉田さんは現在プロの編曲家として天才ジャズピアニスト山下洋輔さんへの編曲の提供をはじめ、オーケストラの編曲のお仕事やヤマハピアノ教室の先生としても大活躍中です。ご本人は自分は演奏家ではないと謙遜されていますが、本職の素晴らしいアレンジでしっかりとしたテクニックで演奏するピアノはとても楽しめる内容になっています。毎回季節に合わせたテーマに沿ってポピュラー、クラシック、オリジナル等幅広いレパートリーで楽しませてくれていますが、今回のテーマは今年で3回目となった6月恒例「1st.雨はお嫌いですか?」「2nd.でもやっぱり晴れが好き」と梅雨の季節にちなんだものでした。この日は倉田さんのお父様とお母様が初めて見に来て下さいました。それにしても倉田さんのライブはいつも女性比率が高い!いいことですねー。

ピアノとベースがカチっとした演奏でとても気持ちよかったです。川上さんのボーカルははじめは「アレ?」っと思っちゃいますが、かわいくって力が抜けてかなり個性的です。おもしろいので私は好きです。

日本で1,2を争う美人ギタリストとの評判の今津未央さんと、上海国際ギター連盟主席理事・上海音楽院客員講師を務められ現在一時帰国中の森田茂さんによるクラシックギター二重奏ライブです。曲目は、中世風小組曲(F.P.ドゥミャ)、センテナリオ通り・木陰にて(M.D.プホール)、前奏曲“あしたてんきにな〜れ”〜げんこつやまのパッサカリア(藤井敬吾)、マイクロ・ジャズ(C. ノートン)、ソナタ ニ長調(シャイトラー)、オブリビオン(ピアソラ)など。前半は格調高いクラシック、後半は童謡の変奏曲やコミカルな曲の演奏と対照的で楽しいプログラムでした。大阪のギタリスト藤井敬吾さんの話題もたくさん出ましたが、「フジーケーゴ」が「藤桂子」に聞こえて、「おお凄い人と一緒にお仕事してるんだなあ」と途中まで思い込んでいましたが聞き間違いでした。いや藤井敬吾さんもものすごいギタリストです。未央さんの力強く美しい単音弾きは素晴らしいといつも思います。お2人とも明るくて面白い人でトークでも笑わせてもらいとても楽しいライブでした。

本日ピアノ調律完了!クラシックデュオの王道、ピアノ&バイオリン。クラスタ初出演のみっこさんとみねりさんです。本格的なクラシックの演奏家というのはやはり違いますねー。素晴らしい!感動しました。しかもお2人ともドレス!CD絵本「レオちゃんとかみさまからのプレゼント」はネコちゃんの物語です。お2人で絵本のページに合わせた音楽を演奏しながら山本さんがナレーションを入れるという演奏スタイルです。インスト弾きながら朗読できますか普通?これははっきり言って超絶技巧ですよ。CD絵本以外の曲目は、「愛の悲しみ」「愛の挨拶」「愛の喜び」の愛のシリーズ、ピアノソロでは超難曲で有名な「ラカンパネラ」など素晴らしい選曲で、誰でも一度はいや何度でもどこかで聴いたことのあるクラシックの名曲を目の前で生で聴けちゃいました。はっきり言って感動しました!絶対のお勧めです。山下美音理さんはいかにも音楽家というお名前ですよね。最初は芸名かと思っていたのですが実はご本名なのです。ご両親も弟さんも音楽家だそうで、演奏家になるべくして生まれて来た人なんですねー。このライブ来月7/21(金)にもやっていただくことになりました。このお2人は本当に素晴らしい。皆さんどうぞ見にいらしてください。

クラシックギターの普及のため活発なライブ活動や執筆活動、優秀な弟子の育成に力を入れている、若き伝道者富川勝智師匠です。 ご本人は冗談で「トーク8割演奏2割」とおっしゃっていましたが、もちろん実際にはそんなことはなく半々くらいで、それでもいつも笑いにあふれたわきあいあいとした楽しいライブです。富川さんといえばもはや名物となった「演奏直前弦全とっかえ」。お客様の目の前で弦を交換してそれからすぐに本番演奏という超秘伝の奥義。お弟子さんが師匠の真似をして本番に臨み演奏中に大変な目に合ったらしく奥義継承は困難を極めるようです。というよりよい子は真似をしてはいけません。使用楽器は世界の名器アルカンヘル。湿気の少ないスペイン製なので、日本の梅雨のこの時期にはその実力は100%発揮できないとのことでした。この日の曲目は、魔笛、アラビア風奇想曲、エストレリータなどやはり得意の古典中心。ライブ終了後は恒例アルカンヘル弾き放題コーナー。さすが真の伝道者です!

毎月レギュラーの関口祐二さんです。日本を代表するジャズギタリスト宮之上貴昭さんの高弟でもありジャズギターの教則本を数多く書かれている著名なギタリストで、モリダイラフィンガーピッキングコンテスト優勝の実績もあります。「こういうスタイルで弾く人は珍しい」と自称する「クラシックギターを使ってピックを使わずに演奏するジャズソロギター」。ギターはスペインの名器「アントニオ・マリン」。ジャズのスタンダードとオリジナル作品を毎回違った即興アレンジで演奏します。残像しか残らない超絶早弾きやスロウで味わい深いバラードまで変弦自在。関口さんはクラシックギターを習ったことはないそうですが、楽譜にしてクラシックギタリストに弾いてもらいたいような曲もたくさんあります。この日はレコード会社の社長さんも見に来てくださり、目の前で在庫CDが売り切れました〜!またライブ終了後、宮之上ギター道場弟弟子の太田雄二さんとの新旧師範代スーパーデュオもありました。祐二雄二でダブルU!?

日本を代表するボサノバシンガー山本のりこさん。クラスタでは4ヶ月ぶりのライブです。店内はほぼ満席のお客様で幸せ空間に包まれました。のりこさん人気は関東だけにとどまらず全国に広がりつつあり、最近は東京以外でのライブも多くなりました。5月下旬から6月初めにかけて九州・中国・関西・東北ツアーで大忙し。3月には3枚目のアルバム「ビタースィート」をリリース。「何を歌ってもボサノバになってしまう」というのりこさんの特技(?)を生かし、ビリージョエルやイーグルズなどのスタンダードナンバー満載の新境地を開いた意欲作です。ライブも以前のボサノバスタンダード中心のものではなく、もはや「彼女がボサノバ」っていう感じです。日本の歌謡曲を歌っても、アメリカンポップスを歌ってもボサノバなんです。久々のクラスタは、インストアライブや全国ツアーの楽しい思い出話もたっぷりの楽しいライブになりました。

鉄弦&ナイロン弦でスロウなバラードからアップテンポの曲まで、珠玉の演奏を聞かせてくれるスコイズミジャズギターデュオ。CDでは決して味わえない一期一会のライブならではの演奏。ぜひ生でお聴き下さい。

恒例となりました、日本一カワイイジャズボーカリスト(自称)大野めぐみさんと、世界的ジャズギタリスト宮之上貴昭(ミヤノウエヨシアキ)さんの超ハイレベルなジャズライブです。何回聴いても本当にこのお2人の演奏は上手い。めぐみさんの歌はなんて素晴らしいんでしょう。大人っぽい艶の中に可愛らしさも同居している感覚です。スキャットもカッコよすぎます。宮之上さんのギターはいまさらすごいと言ったらかえって失礼なほど。この人の演奏は何と言いますか、明るくて開放的でとにかく見て聴いて楽しいのです。目にも止まらぬ超高速コードワークから落ち着いたバラードまで、聴いててわくわくしてしまいます。ソロギターやってる人も一度は見ておくべきです。世界の一流の演奏をこんなに間近で見られるライブなんてそんなにありません。2人の歌とギターの掛け合いもとっても楽しいです。ジャズというのは即興の掛け合いが面白いですねー。この日は、ピアニストのちっくさんこと大渕昭さんも数曲飛び入りで入って下さって豪華なトリオの演奏もありました。ありがとうございました。

恒例!マリ&JUNライブ。真莉さんの日本語オリジナルフォーク(?)ソングと超正統サンバ。と言っても両者が融合しているわけでは決してなく、完全に切り替えてます。いつも出だしは真莉さんのしっとり系の歌で始まるのですが、だんだんとサンバになっていって最後はいつも手拍子足拍子みんなで「ヤラヤラ」「イェーイ」の大騒ぎで終わります。真莉さんの心に染み入る日本語の歌と、パワーのあるサンバの歌、レパートリーの幅の広さはすごいです。この日は加々美さんもバリバリ歌ってくれました。ギター伴奏なしで、お客様の手拍子でのロングスキャットは圧巻でした。さすが本物のブラジル人は違います。(実は日本人)福岡にいた時に加々美さんのライブを何度も見に行ったというサマパロワナの日野君も見に来てくださって久々の再会を果たしました。真莉さんは7/9(日)の「クラスタ4周年記念パーティ」のメインゲストで着てくださいます。加々美さんは7/1(土)に長年の相棒パンデリスタ、復活三井カピバラ啓輔さんと久々の共演。どちらも今からとても楽しみです!

ブラジル音楽界では知らない人はいないピアニストの鈴木厚志さんとギタリストの阿部浩二さんが組んで新たなボサノバユニットが誕生しました!名前はまだありませんがこれから考えるそうです。鈴木さんと阿部さんの実力はもう言うまでも無く超一流。さらにそれにチェロが加わって、ものすごい高級感がかもし出されました。最大のアレンジは音符やコードをいじることよりも楽器の編成を考えることなのかもしれません。なかもう念入りに作られたCDの演奏を聴いているようなものすごい完成度です。モニークさんのボーカルはよく通る綺麗な声で、インストにナイスマッチ。全12曲中私の知っている曲は3曲のみと、スタンダードよりもあえて隠れた名曲を中心としたプログラムでした。普通は知らない曲ばかりだとノれないことが多いのですが、抜群の演奏力でどの曲もはまりました。また聴きたいなー。

残念ながらお客様お一人でした。この人はいい演奏をされるだけになんとも残念です。

クロマチックハーモニカでジャズとクラシックの2つのスタイルのライブが一晩で楽しめるスペシャルライブ!藤原さんは、1993年FIH JAPANハーモニカコンテストクロマチック部門第2位。日本でも数少ないクロマチックハーモニカのジャズプレヤーとして大活躍されています。当日に曲を決めての即興演奏。マイクとハーモニカを一緒に持ってやや深めのリバーブを使った音色でのアドリブ演奏がなんとも心地よかったです。ジャズシンガーの奥様もゲストで参加。鈴木さんは、1999年FIH JAPANハーモニカコンテスト・クロマチッククラシックソロ部門1位、2000年同アンサンブル小編成部門1位の経歴。鈴木さんは完全生音でムーディ、バッハ、シューマンの作品を演奏。こちらは何度も合わせ練習を重ねての本番です。どちらもさすがの高レベル。同じ楽器で全く違うスタイルの演奏が聴け、非常に内容の充実したライブとなりました。立ち見満員御礼感謝感激です!

福岡からやって来た超実力派ボサノバユニット「サマ・パロワナ」の爽やかデュオ。「サマ・パロワナ」というのはヒンズー語で「あかりに集まる虫」というような意味だそうです。ボサノバとインドはあまり関係ないと思うのですが、これはインド旅行に行った時に親切な(?)おじさんが付けてくれたんだそうです。それにしてもこの2人は上手い。とってもキュートでチャーミングな(死語ですか?)宮崎さんはマイクからやや口を離して全身を使って心を込めての熱唱。日野君のギターもさらにキレがよくなりました。そしてこのデュオの最大の特長はほぼ全編に渡る美しいハーモニー。スキャットも進化してます。歌ってる時は二人ともほぼ目をつぶってます。つまり歌詞は全部覚えてるってことです。スタンダードボサノバからオリジナル曲まで、若さと完成度の高さが両立したデュオ。今後も期待大です。

テーマを決めて4回シリーズでお届けするギター&フルート。第2回はラテン音楽特集です。ディアンス、プホール、グラナドス、その他、そしてはずせないのがやはりピアソラの「タンゴの歴史」、今回もたっぷり19曲。聞き応え十分のライブでした。それにしても土田さんのメカニカルな上手さが光ります。「メカニカルな上手さ」をほめるとそれだけで「技術だけで表現力が無い」などと訳知り顔で反論する人がいますが、それは明らかに間違っています。表現力を高めるためには技術の向上は不可欠。表現力を高めるための練習を積み重ねた結果、メカニカルな上手さが身に付くのです。お客様で来てくださった超絶ジャズギタリスト関口祐二さんも絶賛されていました。第3回となる次回は9/8(金)「秋の夜長をロマンティックに」をテーマにお届けします。お二人のその情熱には大いに敬意を表します。

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